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ガソリン価格は来年下がるか、鍵はOPECプラスと米シェール業界

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


来年になればガソリンは値下がりするだろうか。その大前提になるのは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」、および米シェール業界が積極的な増産に乗り出すことだ。今年は世界の石油業界全体が需要急増への対応が鈍く、エネルギー価格高騰と物価上昇圧力の高まりをもたらした。新型コロナウイルスで痛手を受けていた各地の経済が回復し、人々が車や鉄道、航空機などの利用を再開するとともに、石油需要はほぼコロナ禍前の水準に回復。その半面、供給は需要の伸びほど急速には持ち直していない。


原油の国際指標価格は数年来の高値である1バレル=86ドル超に達し、一部エコノミストは今後価格が100ドルを突破して景気回復に脅威を与えると警告している。国際エネルギー機関(IEA)は、来年第1・四半期には原油市場が供給超過に転じ、超過幅は日量110万バレルになって価格の過熱感を和らげてくれると予想する。供給超過幅は第2・四半期には220万バレルに拡大するという。


ただ、この見通しは、OPECプラスがパンデミック中に決めた協調減産規模をゆっくりと縮小する中で、毎月日量40万バレルの増産ペースを守るというのが条件だ。ところがIEAが16日に公表した月報を見ると、OPECプラスの増産実績は目標にほど遠い。9月と10月の生産量は目標より70万バレルも少なかったからだ。これは主にナイジェリアとアンゴラに起因し、両国が抱える保守管理と投資を巡る問題は来年の生産にも影響を及ぼす公算が大きい。


こうした低調な生産ペースが続くとすれば、第1・四半期に想定される供給超過分が帳消しとなり、需給ひっ迫がより長期化しかねない。当のIEAでさえ、供給増が価格をある程度抑えると言いながらも、来年の原油の平均価格予想を79.40ドルに引き上げた。欧州大手石油商社トラフィギュラは16日、脱化石燃料の取り組みを進める石油業界が油田開発投資を減らして原油価格上昇圧力になっている点を挙げて、原油市場の需給は非常に引き締まっているとの見方を示した。


米国などエネルギーの大消費国はOPECプラスに対して、増産ペースの加速を求めているものの、OPECプラス側は北半球の冬の間に新型コロナウイルス感染が再拡大し、需要が冷え込む事態を警戒し、要請に応じていない。そこで市場が目を向けつつあるのは、過去10年間、OPEC以外の増産分のほとんどを供給してきた米シェール業界だ。マーキュリア・エナジー・トレーディングのデュナンド最高経営責任者(CEO)は、今週の「ロイター・コモディティー・トレーディング・サミット」で「恐らくさらなる増産が可能な分野が1つ存在する。米国のシェールだ」と述べた。


IEAは、来年第2・四半期に米国の原油・天然ガス液(NGL)の生産が48万バレル増えて年間の増加幅は110万バレルになると見込む。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の試算では、来年第2・四半期の原油・NGL増産幅は22万バレルとより低めだが、年後半に生産が加速するので年間の増加幅は125万バレルとなっている。もっとも米シェール業界は、過去の原油価格の高騰局面ほど増産に前向きにはなっていない。投資家と株主からは以前よりも適切な資本配分の要求がずっと厳しくなり、生産能力増強投資をする企業は罰せられ、配当支払いや債務削減に注力する企業を高く評価している。


ゴールドマン・サックスのコモディティー調査グローバル責任者ジェフリー・カリー氏は、ロイター・コモディティー・トレーディング・サミットで「北海ブレント価格が83ドルで推移していながら、掘削リグの数は大幅に増加していない」と指摘した。またシェール企業は人手や機械の不足に苦しんでいるほか、業界がパンデミックによる景気後退からようやく持ち直したとはいえ、増産に動くにはまだ需要動向に不確定要素が多すぎるとの声も聞かれる。コンチネンタル・リソーシズのベリーCEOは最近の決算発表の電話会議で「不安定な供給超過市場になってもおかしくないところで、あえて過剰に生産することが、業界のどの関係者にとっても適切とは思わない」と語った。



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